甲状腺について

  甲状腺について

 甲状腺は、体の新陳代謝を盛んにするホルモンを作る臓器です。
 最近は検診が普及し、人間ドックで甲状腺が検査項目に加わったことや、マス・メディアを介しての医療情報に触れる機会も多くなり、10数年前に比べると、来院される多くの患者さんがその場所や働きについてある程度の知識をお持ちですが、まだ漠然と「甲状腺が悪い」と述べられる方も少なくないので、一通りのおさらいをしておきましょう。

 いったい甲状腺はどこにあり、どういう働きをしているのでしょうか。甲状腺の病気を理解するために、まず甲状腺の位置と働きから話しをすすめます。


どこにあるの?

 甲状腺は前頸部(くびの正面)で、喉仏のすぐ下にあり、ちょうど蝶が羽を広げたような形で、すぐ後にある気管にはりついています。大きさは、左右経が4cmほどで、重さが15〜18g程度です。
ごく薄く、柔らかい小さい臓器なので、病気で腫れないかぎり手で触っても分かりません。

働きと甲状腺ホルモン、そして下垂体について

 甲状腺は、甲状腺ホルモンを作る内分泌器官で、海藻などに含まれているヨードを材料にしてホルモンを合成しています。
 合成された甲状腺ホルモンには、ヨードの元素を四つ持っているT4(サイロキシン)と、三つ持っているT3(トリヨードサイロニン)の2種類がありますが、甲状腺では主にT4が作られています。

その働きとは?

 私達が食物として摂取した蛋白質、脂肪や炭水化物は、代謝されてからだの組織を作るのに利用されたり、エネルギーになったりしますが、甲状腺ホルモンにはこうした新陳代謝の過程を刺激したり促進したりする作用があります。
 大人では、後で述べるように甲状腺ホルモンが多すぎたり、逆に少なくなったりすると様々な症状に悩まされることになりますが、小児では心身の発達や成長に著しい異常を来すことがあります。
 しかしながら、病気でもないかぎり体内では血液中の甲状腺ホルモンが常に一定の範囲内に維持できるようなシステムが働いています。
 このシステムは脳の下垂体から分泌される‘甲状腺を刺激してホルモンの分泌を促す働きをしている甲状腺刺激ホルモン(TSH)’によってコントロールされています。
 血液中の甲状腺ホルモンが増え過ぎた場合は、ちょうどサーモスタットのように働き、下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌量が抑えられ、自然に甲状腺ホルモンの分泌が減少していきます。
 逆に血液中の甲状腺ホルモン濃度が低くなると、甲状腺刺激ホルモンの分泌量が増えて甲状腺ホルモンの分泌を促します。
 これを分かり易く図示すると下図のようになります。

 これがネガティブ・フィードバック機構(Negative Feedback )と称される大事なシステムです。
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