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  稀な甲状腺悪性腫瘍

1. 甲状腺髄様癌

 比較的稀な病気です。傍濾胞細胞(C細胞)からできる癌で、カルシトニンというホルモンを分泌します。
 多くは散発性の癌(たまたまできた癌)ですが、遺伝性の場合は血縁者の半分に同じ癌ができる可能性がある常染色体優性遺伝で、髄様癌の他に副腎に腫瘍ができたり、副甲状腺機能亢進症を合併したり、他にも特徴的な身体の異常(分厚い唇や細長い体型)を伴うことがあります。

診断
 特徴的な触診所見はないようですが、自経例ではやや硬め(石灰化が強かったため)でした。
 超音波検査で、辺縁がなめらかで明瞭であるにも関わらず、粗大で密集した石灰化がみられる 場合は、本症を疑って超音波ガイド下吸引細胞診をおこないます。
また、髄様癌が疑われる場合には、血液中のカルシトニンやCEAという物質を測定します。
 現在では、遺伝性の場合は遺伝子診断にて調べることが可能となりました。
治療
 遺伝性の髄様癌では、甲状腺の両葉に癌ができるので必ず甲状腺を全て摘出し、リンパ節の郭清をします。

2. 未分化癌

 比較的稀な病気です。多くは分化癌である乳頭癌より転化したと考えられています。
 以前より前頸部にあった硬いしこりが急に大きく、痛みを伴なうようなって来院することが多いのですが、既存のしこりが大きすぎる時は必ずしもそうではありません。
 外科的に完全に治すことは困難ですので、放射線照射や抗癌剤などの化学療法などを取り揃えた治療(集学的治療と言います)をおこないます。
 血行再建術をおこなって広範囲に切除した1例を含めて5例を経験しましたが、2年以上の延命された方はいませんでした。


3. 扁平上皮癌

 極めて稀な病気で、自験例はわずか2例でした。
 元々、甲状腺には扁平上皮はないのですが、濾胞上皮の一部が変化しておこるとされています。
 自験例でも、吸引細胞診では乳頭癌であったのですが、手術で取りだして調べて、扁平上皮癌であることが判明しました。
 このような場合の予後は不良で、放射線治療でも全く改善がみられませんでした。

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